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−5月の聖語−

   

『忘持経事』/建治2年(1276)聖寿55歳

=いのちの源=

 「親孝行、したい時に親はなし」。日蓮聖人の教えを一言で表すならば「知恩報恩」に尽きるのではないでしょうか。
 受けた恩の深さを知れば、報いずにはいられない。その心を聖人は法華経から受け取られたのです。
 親の恩に気付くことは、取りも直さず、自らの命の源に気づくことであり、生かされている自分の存在の重さ、尊さに目覚めることでもあるのです。

『忘持経事』

 富木常忍は90歳で亡くなった母の遺骨を抱いて、下総(千葉県市川市)からはるばる身延の聖人の下へ登詣し納骨しました。その帰途、富木氏は自ら所持の経巻をご草庵に置き忘れてしまったのです。聖人はその経巻に手紙を添えて使いに届けさせたのが本書です。
 信仰に厳格な富木氏に似つかわしくない失態にユーモアを交えた説諭が見られます。
 この一節は聖人の前で見せた富木氏の亡き母への追慕孝養の姿そのものだったのです。
 また富木氏の納骨が身延山納骨の起源ともいわれています。

建治2年(1276)聖寿55歳


日蓮宗ポータルサイトより転載>